骨の足りない方への治療

GBR

Not enough bones

骨が薄い・骨量が足りない

歯周病などの原因から歯が抜けてしまったり、アゴの骨が痩せてしまうと、インプラント治療をするために必要な骨の量が足りなくなります。 また、歯を失ってから長期間経過している場合には、アゴの骨がさらに吸収されてしまいます。

歯科用CT検査などの結果から、インプラントを埋める部分のアゴの骨の厚み、量が少なく、そのままではインプラントを植えることが難しいと診断される場合があります。

アゴの骨の厚み、量が少ない場合は、基本的にはインプラント治療には適していませんが、当院では、骨を増やす処置を同時に行うことも可能です。

骨の量を増やす方法

骨の量を増やす治療方法には、主にGBR、サイナスリフト、ソケットリフトと呼ばれる方法があります。

アゴの骨が痩せる原因

人間の体は、使わない箇所は衰えていくという性質があります。筋肉を例にするとわかりやすいですよね。
お口の中も同じで、歯が抜けてしまうと抜けた箇所は、「噛むこと」でアゴの骨に与えられる刺激が伝わらなくなり、衰えやせ細っていきます。

これを骨吸収といいます。

このような場合に骨吸収がおこります!

  • 歯周病(最終的に歯が抜け落ちた場合)

  • 入れ歯(合わない入れ歯を使用している場合)
  • 先天的(生まれながらにして)にアゴの骨が薄い

Guided Bone Regeneration

GBR法(骨誘導再生法)

骨組織の再生を促す治療方法

GBR法はGuided Bone Regenerationの略で、骨誘導再生法のことをいいます。骨が欠損している部分に骨補填剤を使用し、骨組織の再生を促す治療方法です。インプラント体を埋めるために、十分な骨の厚み、量がない場合などに、利用されます。

GBR法の副作用・リスク

  • 骨造成治療は外科手術を伴います。
  • 手術後の腫れ・痛みを伴うことがあります。
  • 骨造成治療後、骨がしっかりと作られるまで3~6ヶ月間の治癒期間が必要です。
  • 内科的な疾患(歯周病のある方、心疾患、骨粗鬆症等)のある方は、骨造成治療が適さないケースもあります。また、普段服薬しているお薬等も治療に影響する事があります。
  • 免疫力や抵抗力が低下している方、歯周病の発生リスクの高いとされる糖尿病の方、口腔内の衛生状態の悪い方や、あごの骨が足りない方、喫煙者の方は、骨造成治療がすぐにできない事があります。
  • お身体の状態や細菌感染により、骨補填材と骨とが結合しない場合があります。この場合、原因を取り除いてご希望により再治療を行います。
  • 骨の成長途中になるお子様(およそ18歳未満の方)、妊婦の方は骨造成治療が受けられません。

Sinus Lift / Socket Lis

サイナスリフト・ソケットリフト

上顎の骨を増やす治療方法

上顎奥歯の上には、上顎洞(じょうがくどう)という空洞があり、さらに、歯が抜けると顎骨が痩せやすくなるため、インプラント治療の際に骨量が不十分であると言われることが多いです。当院では、上顎の骨が足りない方にもインプラント治療を受けていただけるよう、「サイナスリフト」と「ソケットリフト」を行っています。

サイナスリフトもソケットリフトも、上顎の骨を増やすための治療方法です。上顎洞を覆うシュナイダー膜という粘膜を押し上げてスペースを作り、インプラントを埋入するための骨の高さを増やします。ソケットリフトはシュナイダー膜までの骨の高さが5mm以上ある場合に、サイナスリフトは骨の高さが5mm以下や多くの歯を失っている場合に、適用される骨造成術です。

サイナスリフト(上顎洞拳上術)

サイナスリフトとは、インプラントを埋め込むのに十分な骨の高さが上顎にない場合に、小鼻の脇にある上顎洞の底部に骨補填材を埋入して骨再生を行う方法です。骨の厚みが8mm未満の場合や、多くの骨を補わなくてはいけない場合に適応します。

上の奥歯の近くには上顎洞という空洞があるため、どうしても骨の量は少なくなっていることが多くなります。このような場合のインプラント治療には工夫が必要となり、難易度は高くなります。

そういう場合には、上顎洞の底部に骨補填剤を用いて骨を造る「サイナスリフト(上顎洞挙上術)」という処置を行います。

サイナスリフトの副作用・リスク

  • サイナスリフトは、歯茎の側面に穴を開け人工骨を入れるので、傷口が大きくなります。そのため、術後腫れることがあり回復に時間がかかります。
  • サイナスリフトとインプラントの埋入を同時に行える場合もありますが、骨の状態によってはサイナスリフトとインプラントの埋入を別々で行うこともあり、その場合トータルの治療期間が長くなります。
  • インプラントを埋入する手術とは別に歯茎の切開や骨の切削が必要になるため、患者様の身体にかかる負担は大きく、治療期間も長くなります。治療後の痛みや腫れもその分強くなることが多いです。

ソケットリフト

サイナスリフトと同様に、上の奥のアゴの骨を増やす方法ですが、サイナスリフトとは違い、徐々にシュナイダー膜(アゴの骨と上顎洞の間にある膜)を押し上げていき、それが完全に骨になってからインプラントを埋め込むという違いがあります。
また、骨の量を増やす治療と同時にインプラントを埋入することが可能です。極端に骨吸収がおこっている場合は適応となりません。

ソケットリフトの副作用・リスク

  • インプラントを埋入する部分から骨を補填するので、傷口が小さくて済みますが、造れる骨の範囲が限られます。サイナスリフトほど広範囲に骨を増やすことはできません。
  • 造れる骨の範囲が限られるため、治療を受けられる人も限られます。
  • 粘膜の状態が目視できない状態で行う方法のため、上顎洞膜を破いてしまう恐れがあります。その場合、上顎洞炎になる恐れがあります。
起こりうるリスク・注意点
  • 手術後に出血が続く場合があります。
  • 手術後に腫れや痛みが出る場合があります。
  • 下顎の治療では、一時的に麻痺が生じる場合があります。
  • 上顎の治療では、術後に鼻血が出る場合があります。
  • 細菌に感染する可能性がありますので、術後はメンテナンスにお越しいただきます。